デス種特別編
MBS 機動戦士ガンダムSEED DESTINY
FINAL PLUS「選ばれた未来」
てっきり無印のときのように昼頃からやるものとばかり思っていたが、0時半からの開始。
内容は特別編というか単なる最終話の焼き直し。
冒頭5分はここまでの流れのスーパーダイジェスト。新しいのはオーブ出航前のカガリとの抱擁シーンだけだが、特に会話もない。
OPはキラきゅん専用テーマ曲「Vestige」で再編集されており、主役が誰かをより明確に打ち出す仕様。
戦闘において増えた描写はというとオーブ側が戦略的に窮地らしいことを示す会話が中心で、キラきゅんさりげに命令権発動。艦長より偉いパイロットというのはキラきゅんが総帥ですかという感じだけど、まあキラきゅんは一人でも一個艦隊よりはるかに強いので当然の処置と言えないこともない。あとはドム姐さん*1＆痔が被弾して死にかけることくらい。
それと議長のモノローグが追加され「勝ちたいだけで戦いたいわけではない。」「クルーゼのように足掻くのも、負けるのも嫌。」という具体的に何がしたいのか分からない、少なくともデスティニープランを推し進める理由にはなってない台詞を旧変態仮面の幻影に語りかけている。
そしてレイとシンは同じように負け、あとは例によってキラ様ご一行の一方的な破壊殺戮タイム。
レイ亡き後はキラ様を止めるものも無くミーティアとエターナルだけでメサイヤ壊滅。
議長と対峙するため単身メサイヤ内部に乗り込むキラ…というところで何故か元の最終話には居なかったはずのアスランも後からメサイヤに突入している。それで議長の間に入る際パイロットスーツのヘルメットを持っていなかったキラ*2が謎だったのだけど、アスランがフリーダムの横に停めたジャスティスから降りるシーンではコクピット開けたときからヘルメット被っていなかった。
崩壊寸前のメサイヤで、キラきゅん達は外部から進入したはずだし内部ではまだザフト兵がいるのに悠長にエアロック閉めて生身で出る余裕があるのですか。やっぱりアスランもエアロック開けて入ってロック閉めてとやっていたのかしら。さすが最強コーディネイター様ご一行ですね。
そして最後の会話にアスランが入ることで多少マシになるのかと思ったら全く何も変わってないorz
ただ「アスラン！？」と居ることに気付くだけであとは本当に何もしてない。議長が撃たれた後、タリアにこの場はもういいから帰れと言われすごすごと引き返す二人。チラッと見ただけでレイに対しても特に何も言わず、二人で会話を交すわけでもなくただぼーっと眺めながら並んでとぼとぼ歩いていくシーンの間抜けさ加減だけは元の最終話を遥かに凌駕していると思う。
あと背景（というか手前）に議長の間の落下物で死んだと思われる兵士が居たけど、これはやっぱりキラきゅんも殺してますよというアピールなのかしら。
勝利が揺るがなくなったところでラクスがもうおとなしくしろという旨の通信を送って、帰還するアスランが負け犬シン君たちを回収。最終的に完全勝利を収めたラクスがプラントの指導者というか支配者になり、シンは心境の推移がさっぱり分からないままキラと和解させられして終了。何故かメイリンが最後までアスランにくっついているのは気になるけど、ここまでくるともうどうでもいいや。('A`)
これは実質、中途半端だった最終話の完成品を二話分一挙に放送したというだけではなかろうか。
というわけで本筋は全然変わっていないし馬鹿な奴らがもっと馬鹿な奴を力でとっちめただけ。主人公シンは最後までただ流されてぎちょうのてさきをやってただけだし、能力に余裕がありすぎて手加減しながら力押しで物事を解決できるスーパーヒーローのキラきゅんが電波教祖ラクスと共に他の雑魚どもを平伏させるだけの話だった。
キラきゅんの生まれながらに最強という設定の時点でこうなる事も全く不思議ではないけど、ここまで主人公のはずのシン君を蔑ろにして前作主人公だけ活躍させる展開にするとは思わなかった。
前作の流れからして、当初キラの位置としては「強引にやりすぎるためその横暴を許せないシンとぶつかり、圧倒的なフリーダムの力でシンに苦汁を嘗めさせ成長の原動力になる。一度シンの偶然に近い底力で敗れて反省し、キラ勢力の沈黙で本性を顕わした議長を単独で討とうとするシンとミネルバの窮地に復活してシンと互いの非を認め和解。心強い味方としてフリーダム一機で敵の全てを引き受けボロボロになりながらシンの道を拓くため戦い、シンは決着をつけるべく議長と対峙する。」というくらいの扱いを予想していた。
いくらなんでもここまである意味直球のキラきゅん万歳を押し通すというのは流石に無茶苦茶である。
結局この特別編も最後の追加5分を除いてはただ展開が間延びしただけだったしその肝心の終わりについてはこれ以上コメントする気も起きない。
こんな時間だと良い子は見られないような気がしたのだけど、まあこんなアニメは良い子に見せたくないのである意味正しい設定だったのか。
