消化不良も消化に良すぎるのも困る
読売テレビ 闘牌伝説アカギ〜闇に舞い降りた天才〜
第26話「狂気と闇と」
鷲巣麻雀がまだ終わりそうにない状況下の最終話ということでどうするのかと思っていたが、結局やれるだけやって時間が尽きたから竜童のシグ方式でかっ飛ばして終了。まあ原作の進行からしても仕方無いとはいえ終わり方は半端すぎだが、全体に原作再現度は凄かったと思う。
アカギが17歳になってた*1実写版では顎と鼻はさておいてもアカギが静かで暗いイメージだったのと比べても、このアニメは挙動を含めて原作漫画にかなり忠実だった。
…しかしそれと裏腹にアニメ終了後の「日テレ雀ニック」は本気で要らなかったというか、最後まで存在そのものがアカギの空気読めてなかったような気がする。
☆まめちしき-竜童のシグ
ジャンプの十週打ち切り漫画のひとつ。最後の決戦突入というところで話が途切れて、次のシーンは決戦終了後まで飛ぶという愉快な打ち切り方をされた漫画。数ある打ち切り漫画の中でもこれが特に吾輩の印象に残っているのは、最後黒幕*2の城でその腹心である“音速の慈音”のいる場所まで辿り着いたところで左の予告煽り文に「シグ、遂に慈音と対決!次回『音速を超えて』」とか書かれていたかと思ったら次の週では体に矢を受けた満身創痍のシグが城から出てくる場面になっており、本当に音速を超えた展開で慈音どころか黒幕との戦闘さえ一コマも使わずに飛ばしたのが個人的に笑いのツボを直撃したことが理由として大きい。
そしてそこから主人公の知り合いだった黒幕のおそらく死に際の台詞と思われる「シグ…俺は生き急いだ…」という言葉を回想する場面を見ても、子供心に陳腐かつ薄っぺらいただ格好よさそうな言葉を適当に言わせただけとしか思えなかった*3し、次の最終回ではいきなり十年後くらいに話が飛びいまだ混乱が続く世界で成長していたヒロインが雑魚悪党に襲われそうになっているところへずっと行方知れずだった主人公がこれまた成長した姿で現れて助けるという、「ジャンプ十週打ち切り漫画第一話の定番」みたいなことを最後にやって大団円なのはいいけど何年も音信不通だった主人公が帰ってきたとき丁度ヒロインがいとも簡単に襲われていたのは色々と不合理じゃないかと考えながら見た覚えがある。
とりあえずそんなわけで竜童のシグといえば吾輩にとってはジャンプ打ち切り漫画の代表格だったりする。……我ながらシグに関する記述が一番多いのもどうかと思った。
ABCテレビ うたわれるもの
第02話「荒ぶる森の王」
相変わらずクオリティは悪くないしふつーの構成だと思うのだけど、やはりどういうわけかあまり楽しめない。このあたりは単純な気持ちのいい話ではないというのも理由のひとつなのかしら。
そしてひとつ思ったのは、畏怖しつつも神のようなものとして社を作って崇めてもいたムティカパの討伐計画に対する葛藤など心理描写が薄いということ。原作でもそのあたりは普通のストーリー展開なら懸念を示すであろう長老トゥスクルが認めるなどあっさりしていたしさらにアニメの尺の問題もあるのだが、キャラの掘り下げがないまま淡々と「なぞる」ような進行の主要イベントのみで流れていると、水に入るまで攻撃が全く通らないような状況に自ら介入するSLG部分の臨場感が得られないことも重なってどうにも馴染むだけの余裕が無い。ストーリーはだいたい覚えているのに原作から繋げるには少々遅すぎるという時期の問題でもかなり損しているように思う。
ただ作画や演技などよくできている部分も多いのでストーリーの転換以降に期待。