本当に無駄なのかな。

MBS 機動戦士ガンダムSEED DESTINY

PHASE-44「二人のラクス」

前回はラクスが偽者の放送に割り込んだところで終了。今頃になってもう迷わないとか言っていたラクスの主張はいかに。

  1. ラクス演説
    • 「よく知らねばなりません。デュランダル議長の真の目的を。」というのはいいのだが、結局その目的って何なのか?一体どんな展開になるのかと思ったら次のシーンではもう演説が終わった後の話になっている。主張それだけで終了?議長を支持してないのはわかったけど、最低限議長を支持できない理由を示さないことには話にならないのでは。
  2. 種色シーズンさりげなく
    • 無印の種で結局最後まで画面に出てこなかった旧変態仮面ことクルーゼの素顔がさりげなく回想で初お披露目。何のフォローも無くこんなあっさりと出すとは…無印の最初から延々引っ張っていたのは何だったのか。その素顔も至ってふつーで、結局キラたちは素顔の何に驚いていたのか謎。
  3. レイのお説教
    • まあ本物だから正しいということはない。ただこの場合偽者ならば主張の是非とは別に偽者を宣伝に利用していたという問題が生じるのだけど、議長の不利になることは敢えてシカトしたのだろう。シン君は言われなかったら気が付かないだろうし。(をぃ)
  4. 頭抱えるシン君
    • 殺した相手が次々復活したあげくそれに完敗したらノイローゼにもなるか。このままカミーユもどきとして精神崩壊直行?
  5. ルナ先生
    • 前々からラクスが偽者だと知ってたことに加えて、アスランが生きてるという情報の追い打ちでダメージ拡大。残り10話切ってるのに主人公周りが悩みまくってて大丈夫なのかしら。
  6. ジュール隊奮闘
    • 合体攻撃・ザク一斉射撃は面白い。しかし脇はともかく一応主要キャラであるはずの遺作と痔のコンビがどう戦っているのか分かり辛かった。
  7. 議長よ-月の裏から-
    • 月の裏側からの曲げビームという奇想天外兵器レクイエムで薙ぎ払われプラント崩壊。まあビーム曲げは前からやっているし、この人たちの殲滅戦志向という前提の上でならこれはこれでありだと思う。結局被害がどのくらいなのかよく分からないけど。
  8. ラクスの見解
    • 「今のわたくしたちには終わらせる術がありません。」 …ならカエレ。
  9. デスティニープラン
    • 「生まれながらにその人の全てを遺伝子によって決めてしまう世界です。おそらく。」・・・ノートまで持ってきて、しかもあれだけ堂々と不支持表明までしておきながら概略についてさえ断定できないとはこれいかに。

結局議長を止めるため宇宙に上がる決意をしたところで終了。
しかし、単に「議長が一人勝ちして対抗勢力ゼロ→それからプラン発動すればやり放題」が問題ならユウナがジブリールを匿ったのは正しい判断になる。ジブリールは引渡しor撃墜してもいいとした上で議長を止めるというのは何を指しているのか?そもそもジブリールが連合の中でどういう位置を占めているのか?ジブが宇宙に上がってレクイエムを鳴らせば云々ということは逆に言うとジブリールが宇宙に上がらないと撃てないのか。地上からでも命令は飛ばせるだろうしむしろジブリールが指示しないと何もしない連合の軍隊って一体何さ。現時点の連合中枢はジブリール一人でできている?連合そのものが完全にロゴスの指揮下なんだったら悪いのは連合そのものになってしまう。ていうか結局コーディネイターを討ちたいだけならロゴスとか言わず単にブルーコスモスでいいやん。


つまるところ問題は肝心なことを何一つ説明してないうえに主役のキラきゅん一行はいつでも「わからない」しか言わないことであり、これではイデオロギーが全く感じられないのだ。


そして、もはや彼らが何について喋っているのかさえよく分からなくなりつつある。
その大きな原因はまず前々から言っている議長の目的“デスティニープラン”と今やってるロゴス掃討との繋がりが全然見えない点にある。キラきゅん一行の言っている「議長を止めよう」というのが何を止めることなのかが判らない。元々これまでの行動にしても襲撃や偽ラクスの使用を不審に感じて議長に賛同しなかった以外は、ザフトと交戦したのも全て議長やジブリールの是非とは全く関係が無い単なるオーブ絡みの理由だったわけで、議長の目的云々は伏線だけはあったが今初めて出てきたも同然である。

(殲滅戦志向のレクイエムビームでプラントのコロニーが崩壊。)
アス「ジェネシスの時と同じだ。どうにもならない。」 (どうにもならない、というのは戦争の流れか。)
キラ「うん。こんなのみんなが嫌だ。」 (この「うん」は「ジェネシスと同じ」という点への同意だろうけどアスランの発言主旨はそこじゃないような。)
ラクでもこの戦争を止める術が無い。」 (だからアスランは最初からそれを言ってるってば。)
ラク「議長の計画ではそこで遺伝子による管理社会らすぃ。」 (議長は曲がりなりにも考えてると。)
一同「管理社会では無駄だと諦めるから戦争なくなるってことか。でも嫌。」 (まあ嫌だというのは人それぞれで、一概には正しいとも間違いともいえない。)
アス「無駄か…。」 (まあ希望と争いが無駄になる社会にしようってことさね。)
キラ「本当に無駄なのかな。」 (えーと、管理社会にしても争いが無駄なものにはならないと?)
ムウ「無駄なことは、しないか?」 (遺伝子による管理決定社会になっても戦うかどうかって話…なのか?)
アス「俺はそんなに諦めがよくない。」 (一番最初に諦め発言してたけど…遺伝子(ry の話だよね?)
一同「俺も俺も!」 (いつの間に自分たちの話になってますか。)
 ==きみのーすーがーたーはー♪==
キラ「アスラン、宇宙へ上がろう!議長を止めなきゃ。」 (無駄以前に止める手段が無いって話は何処へ。)

途中で話変わってるし連想ゲームかよっっ!
だから彼らが話してるのは戦争を止めることなのか、議長の計画を止めることなのか、その両方だとしたら二つはどう繋がっているのか。彼らの話を聞いていても話がまともに繋がってないから意味が分からない。気分だけで会話してないか?いや話の勢いだけでもっともらしく無理矢理結論に持って行く流れはもう程度の低い詐欺か悪徳宗教の話術見てるみたいですこぶる気持ち悪い。
あと「諦めない」と決意するのはいいが、晴れがましい顔をするのはせめてやるべきことが見付かってからにしてもらいたい。行動指針すらあったものではないのにただ宇宙へ行くと決めただけで奮い立つというのは、何も分かってなくてもとりあえず正義の味方らしく手を出したいだけにしか見えない。今までも散々不満をだらだら綴ってきたが、今回ラストのキラ×アスのガッツシーンはかつてないほど寒々しく感じられた。