2005年回顧録4

夜明け前より瑠璃色な(AUGUST)

これまでのAUGUSTのことからさほど期待はしておらず、まあ紹介文を見るとさやか姉さんが気になるという程度で、さやか姉さんバスタオルえっち巻き柄スポーツタオル(ややこしい)の特典に釣られて惰性で買った感がある。
しかしこのさやか姉さんが予想外のヒット。
このお姉ちゃんの存在ゆえに良作認定。それ以外はまあいつものオーガストらしい出来。


なにげに最初のプレイではフィーナルート固定で、一回クリアすると次にさやか、菜月、麻衣、ミアのルート解放。その四人をクリアすると出てくるリースルートもクリアすれば超展開のメインヒロイン最終シナリオ突入というぷ○ほりと同じような構成。


で。
その最終シナリオも話としてはそれなりにまとまっていたように思うのだけど、結局最後まで色々と疑問が残った。何よりもまず根本的な世界観が掴み難い。
距離が38万kmと言明されていたので「月と地球が近かった」が技術的な問題だということは明白なのだけど、月-地球間の航行が普通に可能であるような技術レベルに達していながらも地球の生活様式が全く現代日本と変わらないことにまず違和感がある。
そこまで技術が進んだ後に大戦争で文明が衰退しそれ以前の歴史が無いというのにイタリアはあり、菜月の父親はイタリア料理店を経営し母親はイタリアで修行中。ここでイタリアと呼んでいるのは国名なのか地名なのか、「月王国」と呼んでいるけど月が単独国家だとして地球側の政治単位はどこまで統一されているのかがよく分からない。
さらに月と地球を結ぶ唯一の窓口である「満弦ヶ崎中央連絡港」があるはずの都市で「この街でカタカナの名前ならまず月人」とか言われているためますます分からなくなってくる。唯一の拠点を日本人がそこまで排他的に占拠しているというのか?超展開をやるならやるで、そういった根本的なところに疑問が残らないよう提示してもらえなければただ謎の上塗りと感じてしまう。
そして超展開をやるわりにこれでは「黒歴史の遺産をMS(ボルジャーノン)のみに留まらず戦艦(ウィルゲム)まで発掘した」という程度の話であり、その根幹になるオーバーテクノロジーそのものについてはほとんど解決になっていない。
オーバーテクノロジーというと当然にマクロスブービートラップ、即ち「拾ったものを使うからです!」な展開が想定されるのだけど、そもそも月は戦争から数百年経過しているのに酸素供給さえオーバーテクノロジー頼りという危うさ炸裂状態で、それを王家から独立した力を持つ国教の教団が管理しているなんてどう見ても災厄の芽だし「またいいもの見付けたぜ!」というよりも先に生活の根本から「よく分からない技術」に頼ってることを憂う方が先ではなかろうか。
それを放置して新しいものの利用を云々することが中心のストーリーには疑問符が増えるばかりで、技術理論のレベル飛躍はあったとしてもその技術を知る人がいるならなおのこと、そこを埋めることが本筋なのではないかと思った。
最後の超展開といえば八月名物なのだが、どうにも何のためにやってるのかよく分からない内容だった。


以下各キャラ。

  • フィーナ・ファム・アーシュライト キャラは悪くない。通常ルートはオチも含めて定型。
  • 鷹見沢菜月 何か目立たない。どうにも最近のゲームでは幼馴染が割を食う事が多いような。
  • 穂積さやか 八月史上最強の姉キャラであるさやか姉さん。「なでなで」が至悦。時に、これ初めてのシーンはどう見ても主人公が無理矢r(ry
  • 朝霧麻衣 このシナリオは「ぱにーに」が「まふまふ」ということ以外印象に残っていない。しかしこの「主人公と本人以外は義理だと知らない」という設定はながら殿の言う通り、他の誰もが戦力外として警戒していないうちに主人公を篭絡するという点でいきなり過去フラグ持参で登場した姫様以上に凶悪な伏兵であろう。
  • ミア・クレメンティス 「ぱにーに」担当。
  • リースリット・ノエル 中身だけ下さい。(何)
  • カレン・クラヴィウス 慎ましいサイズの武官のお姉さんが何故か非攻略。これはFD前提ですかorz
  • 遠山翠 緑は要らない子なのを体現した非攻略キャラの委員長。菜月シナリオでの当て馬っぷりは涙無しに見られない。(T▽T)
  • 鷹見沢仁 まあ良くも悪くも八月らしい配置の人。
  • 鷹見沢左門 この声で「マスターと呼ばれたい」とか言うのは反則w