だめあね

だめあね☆ へいらっしゃいませ、ご主人様! (ファミ通文庫)

だめあね☆ へいらっしゃいませ、ご主人様! (ファミ通文庫)

帰りに立ち寄った本屋でひかわの中身にタイトルだけでそそのかされて衝動買いした本。
全く予備知識も無しに買ったのだが、タイトルのわりに姉が全然目立たない。
だめあねの企画するメイド寿司とかメイド銭湯を成立させる超有能人材のご都合主義的発掘過程描写は無く、その他のほとんどの問題もその姉に心酔する完璧超人秘書がどこぞの戦艦の「こんなこともあろうかと」レベルで解決済という数行の説明で終わる。そして姉自体は事務室に引っ込んで店のほうで話が進むし、それに巻き込まれるはずの主人公もほとんど傍観者に近く企画の成否に全然関わっていない。これだけ見てると駄目どころか人材発掘の天才のようにさえ思える。(でも過程描写ゼロ)
で、どうにも店の舞台設定とキャラの説明ばかり読んでる感が強かった。一冊に三話入ってる短編といって差し支えない尺の中でメイド○○成立の状況説明にかなりの分量を割いており、舞台がストーリーの背景ではなくストーリーそのものになっているにも関わらずその過程はひどく作業的で話としての面白みが薄い。
他にその舞台の上に載っている中身らしい中身といえば鈍感朴念仁主人公に想いを寄せるクラス委員長と積極的な従妹という二人のテンプレキャラが主人公を巡ってぬるい争いを繰り広げるこれまた一般ラブコメのコピペにしか見えないものくらいで、それもオリジナリティがどうこうという以前に薄くて火力が無さすぎる。結局小説として何処を読ませたいのかが最後まで分からなかった。
とりあえず「姉」という単語に反応して買うべき代物ではないと思われる。